Seven's Room



トランク製作


背負い式トランク  セブンで長距離ツーリングに出かけるとなると、まず頭を悩ますのが荷物をどうしよう?という点です。ただでさえ無駄を省いて走りを追求したスタイルですから、余分なスペースなどありません。一人旅なら助手席が使えますが、相方を連れての旅となるともうお手上げ状態です。そこでスペアタイヤ(余分なものではありませんが・・)を外してそこにトランクを固定できる様に作りました。
 オートジャンブル等の雑誌には、鞄に固定したステーが車体側に設置した円形ブラケットを挟み込む方式のトランクを紹介していますが、真似をしてもつまらないので別方法(オーソドックス?)で作りました(^^)。よかったら参考にして皆さんも作ってみてください。ちなみにこの自作トランクは前述のオートジャンブルVol.22(98年6月25日発売)にも掲載されました。



1.ステーの作成

ステー正面
 ’96バーキンの場合、スペアタイヤ固定用ステーの車体取り付け位置がかなり下にあるため、その位置に寄りかけるための部品を単純に付けたのでは鞄の下を押さえてしまい、不安定になります。そこで寄りかける部分を上方にオフセットするためのステーを作成します。奥行きに制限があるので、ステーの形状と使用する鞄の厚みをうまく考える必要があります。

 鞄をスペアタイヤのホルダーに載せ、ステーの寸法を決めます。材料はホームセンターで揃います。車体にボルト止めする部分には強度のある厚めのステーを用います。その他はそれほど厚みが無くてもいいでしょう。私は太く短いベースに少し前方(車両後方)に迫り出すステーを組み合わせ、更にコの字型のステーを組み合わせて骨格を作っています。鞄との位置関係を適当にする為にちょっと複雑になってます。


ステー側面
 鞄と接する部分には薄い鉄板を切って使用しています。グラインダーで切りますが、わざと熱を持つようにゆっくりと切り、微妙に鉄板を反らせています。鞄の当たる面に合わせて曲げたつもりです(^^)。切った後はちゃんと周囲をヤスリ掛けしないと手を切るので注意! これらの部品は全て短いボルト&ナットで組み付けます。

 鉄板の上には10o厚のゴムを強力接着剤で張り付け、更にスポンジゴムを貼っています。接触面にクッション性を持たせるためです。鉄板を固定するボルトの頭の部分が当たるゴムをくり抜き、鞄と接触する部分が面一になるようにしてあります。

 また、取り付け部のステー裏側にも10o厚のゴムを貼ってあります。ボディーを傷つけないと共に、鞄を固定するベルトを通す空間を確保するためです。



取り付けた状態 取り付けた状態
 使用する鞄のサイズに合わせてステーの上方へのオフセット量を決めるわけですが、このオフセット量はあまり多くない方が良いでしょう。オフセット量が多いと、セブンのトランクルームを覆うカバーを外しづらくなります。また車両後方側へのオフセット量もある程度確保しておかないと、やはりトランクカバーを外しづらくなります。右の写真は車体へ取り付けた状態ですが、これくらいだと鞄を載せた状態でもトランクカバーの開閉は問題なく出来ます。

 何かと条件の面倒なステーでしたが、完成したステーはまるで体育館にあるバスケットのゴールのようです(^^)。





2.鞄

トランク
 革鞄は雰囲気も出て格好良いですが、価格的にはちょっと難があります。それに雨が降って汚れることを考えると、やはり渡航用鞄が良いと思います。こっちの方が車輪も付いてるので移動時に引っ張れて便利です。また後述しますが、横方向のズレを押さえるための脚を鞄に取り付けるので、その点(取り付け強度など)を考えると、やはり渡航用の鞄の方が良いと思います。

 鞄の表面には7MLのステッカーを貼ってあります。また裏面にはローマ字ステッカーでちゃんと名前を書いてあります。まぁ、そう簡単には盗まれないと思いますけど・・・(^^)。





3.固定方法

横ズレ防止用の脚
 鞄には横ズレ防止用の脚を取り付けます。スペアタイヤを搭載するホルダーの横幅を測り、外側からピッタリと挟むように脚を取り付けます。脚は何でもOKですが、私はL字のアルミ板を切って取り付けてあります。これだとクルマから取り外したときにそのまま置けます。ホルダーと接する部分には、傷を付けないようにゴム&スポンジを貼ってあります。

 横方向の固定は全てこの脚が受け持つので、取り付けは確実に行います。この脚はそれぞれボルト2本で固定しています。



ベルトによる固定  固定は3本のベルトで行います。アウトドア・ショップ等で売っている耐荷重性の優れたベルトを必要な分だけ買い、バックルも3セット購入しました。

 縦方向は2本。ナンバープレート取り付け部分の隙間(左右共)を通し、上下方向に動くのを防止します。横方向は1本です。車体に取り付けた自作ステーとボディーの間の空間を通して固定し、前後に動くのを防止します。左右に動くのは鞄に取り付けた脚で防止します。

 以上により、走行中の安定性に問題無いレベルになっています。 東北道を100q/hプラスαで走ったり、ワィンディングで他のセブンを追いかけて走ったりもしましたが、全く不安に感じることはありませんでした。後続車の運転手も安心して見ていられたと言ってくれました。




4.製作費


                    ○渡航用トランク            ¥17,000
                    ○ステー&アルミ足          ¥ 2,000
                    ○固定用ベルト&バックル      ¥ 2,000
                  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                       合      計           ¥21,000


 トランク本体は正直、予算オーバーでした(^^;;;)。 なかなかちょうど良いサイズの鞄が見つからず(特に奥行き)、市内の鞄屋はもとより隣町の鞄屋まで10数件も探し回ってようやく見つけました。シンプルでお気に入りの鞄です。

 固定用ベルトは人間を楽に支えられる登山用を使用しているためにちょっと高いです。普通のベルトやゴムバンドでも十分使用可能ですので、拘らなければもっと安くできます。


さぁ、皆さんもこんな鞄を作ってSevenでのツーリングを楽しみましょう。



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